活動報告

講演会

中国経済クラブ(苅田知英理事長)は25日、広島市中区の中国新聞ビルで講演会を開いた。政治ジャーナリストの田崎史郎氏が「岸田政権の行方」と題して講演。岸田文雄首相が9月にも衆院解散・総選挙に打って出るのでは、と展望した。要旨は次の通り。

内閣支持率が依然として低迷している。昨夏以降に下がった原因には旧統一教会の問題と安倍晋三元首相の国葬、閣僚の辞任などがあった。今は物価高と防衛費が絡んだ増税の議論だ。岸田首相は防衛増税も行う安全保障政策と、原発の再稼働やリプレース(建て替え)といったエネルギー政策の転換を一挙にやった。

昨年11月上旬にある種、吹っ切れたとみている。世論調査で内閣支持率が9ポイント落ちた。不思議なくらい大きな下げ幅だったが、岸田首相は全然落ち込んでいなかったと周囲から聞く。支持率を毎日気にするのではなく、自分がやろうと思ったことをどんどんやっていく以外ないと腹を固めたのでないか。

年頭会見では、少子化対策と賃上げをやると言った。賃上げはインフレ率の3~4%を上回るように行ってほしいと。官邸の分析では経団連の強い後押しで3%半ばくらいになり、及第点を得られる見通しだ。

少子化対策は世論調査を見ても国民の多くが関心を持っている。日本の合計特殊出生率は1・30で、人口減少にブレーキがかからない。なんとかこの危機を打開しないといけない。だから首相は「異次元の少子化対策」という言葉を使った。

まず児童手当を中心に経済支援を拡充すると打ち出した。今、児童手当に必要な財源は2兆円。これを増やすとなると、一体どこからお金を持ってくるのか。まず何をやるのかを決めてから財源を考える方針だ。増税をやらないことは、はっきりしている。

私は今年9月に衆院を解散し、10月に選挙があるとみている。国民の批判の対象になっている防衛増税は来年の通常国会に法案が提出される。増税項目が決まり、さらに反発が強まるのは必至だからだ。

もう一つの理由は来年の自民党総裁選。仮に衆院解散をしない場合、総裁選は次の総理大臣を決める選挙になる。むしろ今年解散・総選挙をして、民意を得た総理総裁として来年の総裁選に臨む方が勝ちやすいと私は思う。

政治記者として岸田首相を観察していると、実は頑固なところもある。意見に対して反論もする。権力闘争の中で生き、忍耐力もある。自分の思いを貫く頑固さもなければ総理大臣は務まらない。

安倍元首相は2007年の退陣後、どん底だった経験があったからこそ長期政権を築けたのではないか。岸田首相も菅義偉前首相と総裁選で争って負けて苦しかった時期があった。

政治は川の流れ。同じ流れはなくて、よどむことがあってもまた流れる。常に変化している。何が起きるのか分からないのが政治の世界だ。

(了)

中国経済クラブ
  • 事務局長

    宮田 俊範

  • 事務局員

    新久 みゆき、冨田 朋恵